ゴキブリについて。 ゴキブリ弁論

ゴキブリについて。

ゴキブリは、人間に比べて、身体的によわい生き物である。なので、毛嫌いして、いじめ抜かないでほしいな、というのが、僕の率直な思いである。

ゴキブリは、実は無害である。いや、正確にいえば、ゴキブリを無害化することは可能である。なぜ、ゴキブリが害虫と思われているのか、それは、様々な場所を好き勝手にうろつくからである。以前、米袋の中にゴキブリの成虫を見つけたことがあるが、あの時はびっくりした。ゴキブリたちが、トイレやカビの生えた場所を歩いた足で、人間の食べ物の上を歩きまわり、時につまみ食いするから、種々のバイキンが食物に移り、害となるのであろう。もちろん、それら害も、実は大したことない。僕は以前、米袋のなかにゴキブリを見つけたと言ったが、その米袋のコメを半月ほどかけて食べたが、特に体調の不良は感じなかった。まあ、ゴキブリの害などその程度である。で、話は戻るが、ゴキブリに食品の上をあるきまわってほしくないなら、食品類をゴキブリの手(足か)の届かないところへ保管すればいいのである。危険物を幼児の手の届かない場所へ保管するのと同じ要領である。しかも、幼児の場合より、ゴキブリの場合の方が容易である。なぜならば、ゴキブリは燧だから。食物類をビニール袋に入れて、ビニール袋の口をキュッと縛っておけば、それだけで、ゴキブリは、食品に触れることさえできなくなる。ゴキブリは非力なので、ビニール袋の縛られた口を解くことさえできないのである。

ゴキブリは、簡単に捉えることができる。というのも、彼らは、僕たちが思い込んでいるほど素早くもなければ、生命力も高くないからである。ゴキブリ=素早い、しぶといと思い込んでいるとしたら、それは、他者からの不自然な刷り込みである。はっきり言って、洗脳されている。ゴキブリは素早いだろうか?確かに小回りは効く。しかし、人間の方が圧倒的に素早いはずである。なにせ、体格が違うのだ。また、ゴキブリはしぶといだろうか?確かに、体が半分潰れても、ゴキブリはしばらく動き回る。しかし、よくよく考えてみてほしい。人間だってそうだ。昔ギロチンが活躍した頃、処刑された人間の生首が、数秒間瞬きなどの反応を示したそうである。明らかに致命傷を負ってなお、しばらく足掻く。そういう能力が生命全般に備わっている。ゴキブリにしたところで、体半分潰されてしまえば、しばらくの間は筋肉反応を示すかもしれないが、しばらくしたら、死んでしまうのである。おそらく、他の昆虫に対しても同様であろう。そもそも、ゴキブリは、カブトムシなどと違って、硬質の外殻さえ持っていないのである。骨格からして、貧弱なのだ。なぜか知らないけれど、人間どもは、観察力が弱いのか、そうしたゴキブリのよわさに気がつかない。確かに、薬品耐性などは、世代を経るごとに身につけるだろう。しかし、それは、ありきたりな免疫機能だろう。人間だって、一度おたふく風邪にかかったら、なかなか再度罹患することはないのである。

そういえば、ゴキブリは簡単に捉えることができるという話だった。ゴキブリの捉え方は、簡単である。ひっくり返せばいいのである。ゴキブリは、隙間などに入り込めるよう、平たい小判形をしている。なので、よほど元気なゴキブリ(料理屋など栄養環境の良い場所で育ったゴキブリが比較的元気が良い)でない限り、一度ひっくり返ってしまうと、なかなか元の態勢に戻れないのである。なので、ゴキブリの捕まえ方一つ目は、なんらかの手段でゴキブリをひっくり返す。ひっくり返ってまごついているゴキブリをタオルか何かにくるみ、屋外に投擲する。これで十分である。ちなみに、うちわなどで思い切り仰ぐ、と言った方法で、ゴキブリは簡単にひっくり返る。めんこの要領である。

また、ゴキブリのつかまえかたとして、より楽なのは、虫あみなどを利用する方法や、あるいは、大型のタオルや布団のシーツなどを利用する方法である。具体的には、天井や壁に張り付いているゴキブリに対して活用できる方法である。手順は以下の通り1)ゴキブリの真下にシーツや大型タオルを敷く。2)はたきなどでゴキブリを壁や天井から払い落とす。3)シーツや大型タオルにゴキブリが落下したら即座に、シーツや大型タオルを包み、そのまま屋外ではたく。ゴキブリは滅多なことで飛ばないので、有効な手段である。

また、ゴキブリの繁殖を防ぐことも人間次第である程度可能である。まともに考えればいいだけである。1)ゴキブリは人間の残飯などを食べる。2)ゴキブリ夜行性、暗闇を好む。以上から、夜が更ける前に、しっかり、生ゴミ類をゴキブリの手足の届かないところへ隔離する。これだけで、ゴキブリの繁殖はある程度防げるはずである。もちろん、ゴキブリの主食は生ゴミだとしても、それ以外にも栄養源があるだろう。なので、ある程度はゴキブリも繁殖すると思う。だが、絶対数は減らせるだろう。

ゴキブリ一匹見かけたら三十匹いると思説はおそらく誤りである。確かに、ゴキブリの繁殖力は素晴らしいのだろう。でも、たとえ、一匹のゴキブリが三十匹分の卵を産んだとしても、その卵全てが成虫へと成長するわけではないだろう。途中で病死するものもいるだろうし、ダニにやられる場合、蜘蛛などに食べられる場合と様々だろう。よほど生育環境の整った大型家屋でない限り、1匹=30匹仮説は成り立たないのではないかなあ、と思う。現に僕の家は、ワンルームというさほど大きくない空間だというのもあるのだろうが、3匹キャッチアンドリリースしたら、いつのまにか、出没しなくなった。

冷静に考えてみたら、もし仮に、毒によってゴキブリを殺した場合、その毒を食べた直後のゴキブリが、たとえば、米びつの中をうろついたのち、別の場所で亡くなる場合だってありうるのだ。となると、毒によってゴキブリを駆除した場合の方が、人間たちの生活にとってゴキブリの害が大きくなるのではないだろうか?ゴキブリの害は、さまざまな不衛生な場所を歩き回った足で、人間の食料の上をも歩き回るという点であったはずだ。だとすれば、毒物を散布して、不衛生というか、不健康な場所を増やしてどうする?確かに、ゴキブリは根絶やしにできるかもしれないが、却ってその害が増えてしまうかもしれないのだ。あるいは、飼い犬飼い猫幼児がいる場合、彼らが、毒を誤飲する可能性もある。そうした種々のリスクを勘案した上で、毒物を散布すべきだろう。その他の毒物に対しても言えることだが、種々の派生リスク、毒物使用後の影響なども勘案した上で、毒物は使用すべきだ。種々の公害事件なども、そのような視点が欠けていたから、発生したはずなのだ。

ゴキブリを殺すために、毒物を使うことに違和感を持てる人々が増えたら、きっと、様々な公害の可能性へも敏感になれるんじゃないかな、って思ったりする。

以上、僕のゴキブリ弁論でした。

ちなみに、僕はゴキブリはそんな好きじゃないです。